Apple はエンジニアリング市場を制圧するか

市場の形勢を一変させる iPhone や iPad などの製品が広く普及したことで、消費者市場では Apple 製品の人気が急激に高まっています。しかし、エンジニアリング関連や技術関連の市場は今も PC が優勢を保っています。かつて科学技術市場は Mac プラットフォームの独壇場でしたが、1990 年代にはその地位は弱まり、失われました。しかし、状況が変わる可能性を示すいくつかの兆候があります。

10 月、ユーザーからの高まる強い要望を受けて、Autodesk 社は AutoCAD ソフトウェアの新たな Mac バージョンを 18 年ぶりにリリースしました (同社は 1992 年に AutoCAD の Mac プラットフォーム向けバージョンをリリースしましたが、わずか 2 年後にこれを市場から引き揚げています)。AutoCAD の Mac バージョンは、コストは PC バージョンとほぼ同程度ですが、iPad、iPhone、iPad Touch 上で動作する無料の iOS バージョンが付録として付いています。これらのポータブル バージョンは設計機能に制限があるものの、設計者は、図面を印刷することなく作業現場に持っていくことができます。

今年、Computational Engineering International (CEI) 社は、主力製品である数値流体力学ソフトウェア EnSight の Mac ネイティブ バージョンをリリースしました。以前は、この Linux ソフトウェアは、Mac 上の X11 ウィンドウ環境内で動作していました。現在は、同じ流体力学空間で、Symscape 社の Caedium が Mac プラットフォームをサポートする予定です。この新リリースは、真のネイティブな Mac バージョンであり、Mac 上でネイティブに実行可能な数少ない市販の CFD 解析ツールの 1 つとなります。

これらをはじめとする新しい Mac 向け CAE ソフトウェア リリースの登場は、Mac を使用するエンジニアをサポートするアプリケーションの人気の高まりを示しています。Mac を使用するエンジニアの多くは、以前に、仮想環境で Linux アプリケーションまたは Windows プログラムを実行するために Mac を購入した方々です。これまでも建設用 CAD ユーザー向けにさまざまなデュアル プラットフォーム製品 (Graphisoft 社の ArchiCAD と Vectorworks) が存在し、工業デザイナー向けの Mac 用ソフトウェアも複数出回っていますが、ほとんどの MCAD ユーザーは Windows ベースの PC に縛られたままです。ほかの MCAD ベンダーが Mac 用ソフトウェア バージョンのリリースを検討しているという噂もありますが、大半は様子見の姿勢をとっています。まさに、典型的な「卵が先か鶏が先か」といった状況です

。エンジニアリング ユーザーは、MCAD アプリケーションが Mac をサポートするようにならないかぎり、Mac に高い関心を持つことはないでしょう。また、ベンダーは、潜在的なユーザーの市場がある程度の規模にならないかぎり、(新たな) プラットフォームをサポートしようとはしません。おそらく、より重要かつ不透明な問題は、ネットワーク環境でデュアル オペレーティング システムのマシンをサポートするために必要なインフラ (IT サポート) の整備に企業が前向きかどうかということです。こうした未知の要素があるにもかかわらず、Apple がカムバックを果たすことはないと主張するのは困難です。

今年 6 月までの四半期で、Apple 社は 350 万台の Mac を販売し、実業界で本物の需要を得つつあります。IDC によれば、Mac の前四半期の売上は、業界のほかの製品と比較して、ビジネス市場では 3 倍、政府市場では 16 倍のスピードで増大しました。モバイル コンピューティング市場が急成長する中、Apple 社は確実に大きなシェアを獲得しています。同社の iPad と iPhone は広範囲に普及し、2010 年にはこれらを真似たタブレット型のコンピュータ機器が相次いで市場に登場しました。

Gartner Group 社は、2013 年までにビジネスの 80 % がタブレットを利用した作業をサポートするようになると予測しています。Forrester Group による別の調査によれば、北米とヨーロッパの全企業の 3 分の 1 近くが現在 iPhone をサポートしているといいます。いずれは、機械設計を行うエンジニアや設計者にも、Mac 上で動作する 2D / 3D 設計ツールが多岐にわたって提供される日が来るのでしょうか。結論はまだ出ていませんが、MCAD ベンダーが少なくとも市場を注視し、最終判断を保留していたとしても何ら不思議はありません。現在、Apple コンピュータ上で動作する何らかのエンジニアリング アプリケーションをご使用の方は、ぜひご体験をお聞かせください。メリットは何ですか。より使いやすいですか。ウィルス感染の確率がより低いですか。それを私たちは知りたいのです。

画像提供 : kurafire

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1 個のコメント

  1. 投稿日時: 4月 14, 2013、7:32 am | パーマリンク

    macでも徐々にマイコンのプログラミングが出来るようになってきています。
    PICもMacでの開発に対応しましたし、AVR、Arduino、ARMマイコンの開発も出来るようになってます。
    徐々にロボット関係の人もMacを使うようになってきていると思います。
    僕は、ロボットの大会に出ていますが、Macを使う人をある程度の割合で見かけます。

    他の会社がMac用の製品設計ソフトを開発して、市場を獲得する前に、
    PTCさんが、今のうちにその立場を築くことが今後有利になると思います。

    と言って、Creo Elements Direct Modeling ExpressをMacで使えたらいいなと思う高校生。

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