グローバルな協働作業環境で、設計の問題を乗り越えるには。

現代の製造メーカーは海外に製造・エンジニアリング拠点を構え、グローバルに製品開発を進めています。それにはコスト削減という元々の目的のほかにも、さまざまな理由があります。効率的にグローバル製品開発 (GPD: Global Product Development) を行うことで、市場投入期間の短縮、製品開発コストの削減、生産性の最大化、製品品質の向上、イノベーションの活発化、業務効率の向上といった効果が得られます。

製品開発を高度に分散化、グローバル化することで、製品が開発される過程が劇的に変化します。今日のグルーバルな設計チームは、タイムゾーンや地域、文化、部門の違いを越えて設計作業を協働で進めなければなりません。ただし、グローバルに設計作業を行うことで長期的なメリットが得られますが、同時に情報交換や管理業務、協働作業に関する新しい問題も生まれ、知的財産 (IP) 盗難のリスクも高まります。こうした変革により、グローバルな設計チームやサプライ チェーンのパートナーが効率的かつ安全に協働作業を進められるようにすることが、最重要視されるようになっています。

しかし適切なツールと標準化されたプロセスを整えなければ、このようにグローバルな設計チーム間で協働体勢を取ることはほぼ不可能です。分散化したチーム間で設計データを手渡しでやり取りするなど、信頼性の低い情報交換方法を実践していては、効率的に協働作業を進めることはできず、混乱やエラー、そしてコストを増大させる遅延が生じてしまいます。それでは、グローバルな製品設計コラボレーションのベスト プラクティスを以下でいくつか見ていきたいと思います。

“唯一の正しい情報源” を確立する:

世界中に分散化したチーム間で設計作業を協働で進めるためには、コラボレーションとコミュニケーションを活発化し、協調性を高めることができるデジタル環境が必要です。また、複数部門のアイデアを活用できること、設計チーム間で情報交換を行えること、関係者間でのデジタル設計データを安全に共有できることも、こうした環境には求められます。加えて、設計データ用の単一のデータ ソースを確立することが不可欠です。このようなデジタル インフラがあれば、部門を越えたチーム間のコラボレーションが活発になり、製品データの共有をトレースして安全に IP を保護することができます。設計チームのメンバー全員が、必要なタイミングで必要なデータを迅速かつ安全に参照できるようにすることで、プロジェクトをスケジュール通りに進め、レビュー サイクルを合理化することができます。

マルチ CAD 環境のサポート:

世界中に分散化したチームでは異種の設計ツールやプロセスが使用されるため、協働作業の複雑性が増すのが一般的です。Aberdeen 社の調査、「マルチ CAD の活用: エンジニアリング コラボレーションの欠点を克服する」では、トップレベルの製品開発企業の 82 % が、設計プロセスで 3 種類以上の CAD フォーマットを使用しており、その中の半数以上が、理由として「サプライヤと設計パートナーとの協働作業を行うため」と答えていることがわかっています。より効率的にパートナーとの協働作業に対応するためには、企業にはマルチ CAD 環境に対応できる能力が求められますが、「トップレベル」の各企業は単一の CAD アプリケーションへの統合を進めることでこうした環境に対応しています。そのような企業はネイティブ CAD ファイル用のビジュアリゼーション ツールや直接変換ツールを使用して、さまざまなフォーマットでのデータの受け渡しも可能にしています。

ツールとプロセスの標準化:

グローバルな協働作業を活発化するためのツールや手法はバラエティに富んでおり、プロセスの標準化といったシンプルなものから、製品ライフサイクル管理 (PLM) システムなどのデータ管理テクノロジの導入まで、複雑度はさまざまです。これらのシステムでは、大事な設計データを単一の保管庫で一元管理し、そうしたデータへのアクセスを制御することができます。Aberdeen の調査から、トップレベルの企業は共協働作業への対応力を強め、適切なバージョン管理を行うために、PLM を使用して各地に分散化した全 CAD システムの設計データを一元管理し、同期化させていることがわかっています。

マネージャの重要性:

複数の設計拠点に作業を割り当て、ツールやトレーニング、インフラ、標準化されたプロセスを整備する管理部門は、グローバルなチーム間の協働設計を成功させる鍵としての役割を担います。有能なマネージャを 1 人配置して各地に散らばる設計チームの作業全体を監視させ、各チームがプロジェクトでのそれぞれの役割を適時果たし、それぞれの目的に合った適切なツールを使用していることを確認すべきです。

現場の進行役を配置する:

マネージャが中央の拠点から遠隔地の新規設計拠点に異動し、最大で 2 年ほどかけて地元のチームを対象とした製品開発プロセスに関するトレーニングに従事し、同時に中央の拠点との連絡係を務めることで、多くの企業が協調的な GPD 環境の創出に成功しています。同様の理由で、エンジニアが遠隔地の設計拠点から中央の拠点に送り込まれる場合もあります。画像提供: IceNineJon

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