CAD の標準化について検証する。

製品の設計がサプライ チェーン パートナーとメーカーの間で分散して行われている今日、多くの設計プロジェクトでは、複数の CAD システムのデータへの依存が避けられません。それが原因で問題が生じることがよくあります。

複数のオーサリング システムを使用する場合は、プロセスの複雑さ、コスト、エラーが増加する可能性が高くなります。また、製造メーカーは、CAD システム間でファイルを変換する際、大抵、設計サイクルの時間の喪失という高い代償を払うことになります。マルチ CAD 製造環境の複雑さにもかかわらず、現実には、複数のソースの CAD データをすばやく巧みに処理することが企業にとって必要となっていると言えるでしょう。

これを支援するソリューションとして、データ交換サービス、データ修復、フィーチャー認識、ダイレクト モデリング、HDIC (Heterogeneous Design-in-Context)  などが提供されています。HDIC を使用すると、異なる CAD システムで作成されたコンポーネントで構築されるアセンブリを作成、表示、および修正することができます。多くの製造メーカーの間で共通認識となりつつあるのが、1 つの CAD プラットフォームに標準化しながらも、ほかのさまざまな CAD システムのデータのやり取りは従来どおり可能にする、という考え方です。これには、異なる CAD ツールを利用しているサプライヤ、顧客、社内の別部門から提供されるデータが含まれます。では、CAD の標準化 (参考記事。英語サイトへ) に取り組む前に企業が検討すべき事項をいくつか見ていきましょう。

ツールを 1 つ選択

1 つの CAD プラットフォームに標準化する前に検討すべき事項が多数あります。まず、現在社内で使用している CAD ツールと、顧客およびサプライ チェーン パートナーをサポートするために使用している CAD ツールをすべて入念に分析します。ベンダーの財務状況やビジネスの継続性に問題はないでしょうか。今後 10 ~ 20 年、御社のユーザーのニーズに対処できるような将来のテクノロジに、そのベンダーは投資を行っているでしょうか。

次に、社内のほかのどのシステムよりユーザー数が多く、事実上の標準となっている CAD システムが存在するかどうかを評価します。そのようなシステムが存在する場合は、設計の再利用を重要な要因として考慮する必要があります。売上の大半を占める大口顧客が存在する場合は、その企業が選択している CAD ツールも重要な選択肢として検討する必要があります。また、コストも問題です。ソフトウェアのライセンス料やメンテナンス コストから、ユーザーのトレーニング、必要なハードウェアの増強、データの移行に至るまで、すべてを合算してコストを計算します。すでに特定のプラットフォームについてのトレーニングを受けたユーザーが社内に多数いる場合は、そのプラットフォームも有力候補として検討する必要があります。新しいプラットフォームのトレーニングをすべてのユーザーに対して行うとなると、移行時に生産性が低下するだけでなく、コストがかさみます。

移行プランの作成

ユーザーは、製品開発プロセス内の自分の役割を経営幹部が理解してくれていると感じることで、移行への不安が軽減します。個々のユーザーのニーズ、使用するデータ ソース、成果物をより的確に理解できているほど、各ユーザーの支持を得やすくなります。経営幹部は、ユーザーが抱えている問題にも十分な注意を払い、新しい CAD ツールでそれらの問題に対処できるようにする必要があります。

新しいツールの導入

新しい標準化された CAD ツールを導入する最も容易な方法は、すべての新規プロジェクトを新しいソフトウェアで開始することです。しかしそれは滅多にあることではありません。設計エンジニアが行う作業の約 80% では、既存の設計の修正や活用が必要になります。このため、レガシー CAD システムのデータを新しいフォーマットに移行することが非常に重要です。レガシー CAD データは、HDIC ツール、データ変換サービス、または標準または独自のデータ変換ツールで変換することができます。変換済み CAD データを入念に検査したうえで移動してテストし、新しいシステムに移行したユーザーがすぐに使用できるよう準備することも、ダウンタイムと生産性の低下を最小限に抑えるために極めて重要です。また、ユーザーを支援するためのユーザーのトレーニング、ドキュメント、サポートを用意し、ユーザーができるだけ短期間で新しいツールを習得できるよう手助けすることも大切です。

標準化のさまざまなメリット

企業は、1 つの CAD プラットフォームに標準化することで、さまざまなメリットを得ることができます。ユーザーは、ソフトウェア ライセンス、トレーニング、データ、ベスト プラクティスを共有することができます。CAD の標準化により、企業全体が単一のデータ プラットフォームで、製品開発チームのすべてのメンバーと容易かつスムーズにデータを共有できるようになります。エンジニアは、データの修復や再作成に時間を割く必要がなくなるため、革新的な新製品の設計に集中できます。また、トレーニング、ドキュメント、システム管理のコストの削減、製品開発サイクルの短縮、不適切なデータ変換が原因で生じるエラーの減少、製品品質の向上により、設計効率も大幅に高まります。こうしたメリットがあるにもかかわらず、すべての製品を 1 つの CAD プラットフォームで設計できるというのは、企業にとって信じがたいことです。通常、サプライヤ、パートナー、顧客は複数の CAD ツールを使用しているため、さまざまなソースの CAD データを処理する能力が不可欠です。Aberdeen Group  (英語サイトへ) が実施した調査によると、優良と見なされる企業は、1 つの CAD プラットフォームに標準化しながらも、さまざまなフォーマットでデータをやり取りできるようにすることで、マルチ CAD 環境をサポートしています。

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